腹膜播種・癌性腹膜炎に対する
治療の難しさ
腹膜播種・癌性腹膜炎は、放置すると腸管周囲や腹壁内壁に付着し増殖した癌の塊(腹膜播種)による腸管癒着や腸管運動障害により、非閉塞性腸閉塞(麻痺性イレウスや癒着性イレウス)を発症して、食事や飲水ができなくなり、短期間で死に至る病態です。
腹膜播種・癌性腹膜炎では、腹腔内全体が腹水中の癌細胞に満たされており、手術や放射線治療のような局所治療では、延命効果をあまり期待できません。
主たる利用戦略は抗癌剤治療になりますが、標準化学療法の中には腹膜播種・癌性腹膜炎に明らかに有効という治療法は現在ありません。
当院の腹膜播種・癌性腹膜炎の治療方針
患者様の状態により、ひとりひとり異なる治療になります。
治療方針の原則は、患者様の癌の分布と癌量から、余命を著しく短くする可能性の高い癌病巣および日常生活を著しく制限する可能性の高い病変から、順番に治療を行います。
当院では保険範囲内の治療を行い、実施困難な治療法が必要な場合は、その分野の専門医師をご紹介いたします。
当院での腹膜播種・癌性腹膜炎の治療を希望される患者様へ
原則として、患者様の性別、年齢、癌の種類は問いません。
ただし、血液腫瘍や一部の特殊癌はお受けできません。
可能性のある限り、積極的に治療を致しますが、当院での治療で効果がほとんど期待できない患者様については、お断りする場合があります。
- まず、当院の「腹膜播種・癌性腹膜炎患者受付窓口(下記メールアドレス)」にご自身のパソコンもしくはスマートフォンでメールをお送りください。
- メールには以下の項目を必ず記載してください。記載不備の場合は、診療相談をお断りする場合があります。
(必須1)氏名、年齢、住所、連絡先
実名を語らない方や、患者様ご本人に治療意欲のない場合は、診療をお断りいたします。
携帯番号または自宅電話(必ず患者様ご本人と直接会話できる電話番号でお願いします)。(必須2)病状経過概略
原疾患(最初の癌病名)、手術、放射線治療、抗癌剤治療、免疫治療などの時間的経過。(必須3)現在の状態
特に自力活動程度(トイレ歩行が可能かどうか)、食事量、癌性疼痛の程度、腹水の有無、などについてもお書きください。(必須4)治療中の癌以外の病気の有無
- 以上のメール内容を拝見した後、当院からメールもしくは直接電話で担当医師から早急に返答いたします。
多くの場合、電話で患者様ご本人と直接お話しして、診療するかどうかを決定しております。
治療担当医師
田中 哲二
所属学会・資格等
- 前和歌山県立医科大学准教授
- 元オンタリオ癌研究所研究員
- 日本がん治療認定医機構認定がん治療医
- 日本婦人科腫瘍学会専門医
- 日本内分泌学会専門医
- 日本病態栄養学会専門医
- 日本抗加齢医学会専門医
- 日本女性医学学会専門医
- 日本化学療法学会認定医
担当医師 治療経験
当院担当医師は腹膜播種・癌性腹膜炎に対する20年以上の多数多様な治療経験を有します。
2019年12月31日までの過去約8年間に「腹膜播種・癌性腹膜炎治療専門外来」で診療した患者の原疾患は、卵巣卵管癌243例、胃癌139例、大腸癌(直腸癌・カルチノイドも含む)130例、腹膜癌・原発不明116例、子宮体癌79例、子宮頸癌69例、膵癌58例、乳癌45例、肺癌25例、胆管胆嚢癌18例ほか、合計972名です(緩和治療・セカンドオピニオンも含む)。
腹膜播種・癌性腹膜炎患者受付窓口
以下のメールアドレスにてお問い合わせください。
※お電話でのご質問には一切お答えしておりませんのでご注意ください。